寄せ集めの書評その5

だしの本

だしの本

昆布は蝦夷で生産されて日本海を経て京都に入る。
鰹節は薩摩で生産されて太平洋を経て江戸に入る。
日本を取り囲む海流の作用によって、産地と消費地があべこべになった面白い例である。

超ひも理論への招待

超ひも理論への招待

超ひも理論
数式を使わずにイメージだけで説明するのは無理があるようだ。
却って解りにくい。
物事をよく理解するには数式を駆使したほうがわかりやすいこともある。
この分野は深く理解するか全く理解しないかのどちらかしかなく、中間は難しい。
昔の教科書を引っ張り出して復習をしなくては!

図解ガスタービン

図解ガスタービン

ガスタービン発電が俄かに脚光を集めている。
ジェットエンジンまで解説してます。

図解 古代兵器 (F-Files No.035)

図解 古代兵器 (F-Files No.035)

三国志とかを想像しながら読むとなかなか面白い。
武器の隆盛や衰退を見ると、その時代の技術の発展の度合いや文化とかがわかる。
というわけで兵器の研究は歴史を反映して面白いのである。

ジャイロ活用技術入門―その原理・機能・応用のポイントを詳述

ジャイロ活用技術入門―その原理・機能・応用のポイントを詳述

高性能なジャイロセンサは地球の自転までわかるそうな。

ヒット食品開発の発想と技術 (くらしの中の化学と生物)

ヒット食品開発の発想と技術 (くらしの中の化学と生物)

裏話面白!

写真に見る満洲鉄道

写真に見る満洲鉄道

日本の戦前の技術力を侮ってはいけない。
この高い技術力が、戦後復興に大いに貢献したのである。

STLは物流の主役にはなれず、造船業は韓国の後塵を拝することとなってしまいました。
しかしまあ造船能力というのはその国の国力の指標であり、時代遅れなどではないと感じるところだ。

掘り出すのにいろいろとたいへんだー。

トコトンやさしい液晶ディスプレイ用語集

トコトンやさしい液晶ディスプレイ用語集

これは本当に用語集だった。専門家でないと読んでも退屈だ。

調理科学概論 (生活環境学ライブラリー)

調理科学概論 (生活環境学ライブラリー)

調理といっても、化学から物理分野までの極めて幅広い知識がなければ全てを語ることは出来ない。
身近な調理現象が様々な科学的解釈と関連付けられていくところに面白みがある。

寄せ集めの書評その4

日本防衛の大戦略―富国強兵からゴルディロックス・コンセンサスまで

日本防衛の大戦略―富国強兵からゴルディロックス・コンセンサスまで

戦後の日本は、吉田茂の判断により、アメリカの庇護を受けつつも戦争に巻き込まれないために憲法9条を利用してアメリカの膨大な恩恵を受けたのである。だがそれと同時に国家としての自覚を失うという副作用に悩まされることになった。

入門 回路理論

入門 回路理論

電気回路の基礎から交流回路や三相交流まで基礎的な事項を幅広く網羅し、入門書に最適。

酒宴の話題にお使いください。

絵とき ボイラーのやさしい知識

絵とき ボイラーのやさしい知識

ボイラーでお湯や蒸気を取出します。工場や病院などで使われている。
ボイラーは燃料を燃やして水との熱交換が主要な課題のため、なかなか構造が複雑で繊細そうだ。

寄せ集めの書評その3

日本の軍隊マニュアル―帝国陸軍と陸上自衛隊『戦闘力』の比較検証

日本の軍隊マニュアル―帝国陸軍と陸上自衛隊『戦闘力』の比較検証

時は、明治維新。国軍の構想を掲げた初代兵部大輔大村益二郎は兇刃に倒れた。
フランス、プロシアアメリカ視察を終えて兵部少輔(しょうゆう)となった山縣有朋は徴兵制による国軍の建軍を画策していた。そのとき徴兵制を否定していたのは全国40万人の武士階級であった。
ここから本書は始まり、途中で敗戦を経て生まれ変わり、現在の自衛隊に至るまでの日本の軍隊についてその生い立ちから素性までを実に見事に分析している。
勇猛果敢な下士官が乱れた指揮系統の中で戦った結果として亡国を導いたとは良く言われるが、その組織の成因も極めて納得の行く説明がなされている。
よく言われる話として日本人の組織には有能な指揮官が生まれにくいと言われる。しかしこの論拠の大半は太平洋戦争における指揮系統の不備に基づくものであり、これをもって敗戦の原因を推し量れば循環論法に陥り有効な結論を得ない。
そう言ったある種のイメージに基づく日本人観を排して上で本書を読むことで、敗戦を導いた原因が推測できる。
本書では指揮系統の不備は極めて具体的に考察されており、何が不適切な軍事行動であったかを筆者が明確に把握していることが理解できる。
それを踏まえて読者として考察した結果、次のような結論に落ち着いた。
日本は明治時代より急速な近代化を進めたが、長らく続いた封建社会と訣別して真に「近代的な国防体制」を築くことが出来なかったのである。
その結果として有能な将校を配した近代的な軍隊を持つことが出来ず、大東亜戦争では米軍に敗北したのである。
過去の日本軍と現在の自衛隊に関して、長年の研究に基づいた素晴らしい分析と示唆に富んだ提言を綴っている著者の三根生久大氏の名前は、敬意と共に心に留めておきたいところだ。

さてここで第一章を要約する。

明治四年二月、西郷隆盛による親兵設立により日本は政府としての初めての軍隊をもつことになった。
明治五年に近衛兵と改められ、西郷隆盛を都督として全国主要都市に志願制を持って常備された。
薩摩、長州、土佐の旧武士の集合体であり、国家という意識は低かったのである。
そのため、徴兵制を採用し、天皇を中心とする国家の軍を組織して内憂外患に備える必要があると山縣有朋の強い危機感があった。
そして明治六年四月、帝国陸軍の建軍に至る。
日本の軍隊では私的制裁が横行していた。
当時の士官以上は武士の出であり、徴兵されてくるものはほとんどが農民と町民であった。士官「平民ごとき輩が自分たちと同様に、国防という大任に就くなどもってのほかだ」と新兵を殴り倒していたのである。
徴兵の新兵は命令に無批判・従順でいかなる困難にも耐えうる強兵となっていったのである。

このあたりには日本軍の極めて強い下士官が錬成されていく過程を表しているように思われる。

次に三章の第一部を要約する。

日本軍は当初軍制はフランス一辺倒であったが、明治20年からプロシア式を取り入れることで軍国主義に急速に傾斜していく萌芽が見られた。
ドイツ式を取り入れた日本では、参謀養成のための陸軍大学校で戦略・戦術・一般教養・哲学を重視した「教養ある武人」の育成に努めたのである。
しかしながら、封建時代の武士に通じる意識が強く残存していた当時の軍人としては、次元の異なるプロフェッショナリズムを理解することは元々困難であった。
当時の帝国陸軍の軍人―将校は、暴力の管理能力という軍人的価値よりも、名誉と勇気といった武人的価値が強く、率先、陣頭に立って兵とその苦労を共にするという方が勝っていたことだろう。

このように本書ではプロシア式の導入が軍国主義の萌芽となったとの論が展開されている。
「近代的な国防体制」をどう定義するかは本書からは若干読み取りにくいところではあるが、前述の軍人的価値を持った将校を育成するシステムを備えるものかと考えられる。
そして、暴力の管理能力という軍人的価値に欠けていたのが、封建時代の武士に通じる意識の残存が原因だったと論じられていることから、やはり日本軍の脆さの原因は長らく続いた封建社会と訣別して真に近代的な国防体制を築くことが出来なかったことだと私は理解する。
これが本書の前半部分を読んで得られる結論である。更に本書では人事問題、作戦の不手際によって太平洋戦線で敗北する様が克明に描かれているが、その根本は「近代的な国防体制」構築に出遅れたことに起因するものと私は解釈している。

「近代的な国防体制」の定義が若干曖昧なのが気にかかるところであり、山縣有朋の視察したフランス、プロシアアメリカが当時日本よりもどれほど進んだ兵制を持っていたのかは別途考察が必要だろう。

と、ここまでで一旦前半部分をまとめておこう。
さて、本書の中盤〜後半にかけても極めて示唆に富んだ内容となっているので、いずれ他の書籍と同時にまとめておきたいところである。

おまけ、アメリカさん。

占領地域では米軍が解放軍であり正義の軍であるかのような印象操作が行われたが、それが最も成功したのが日本でした。

田母神国軍

田母神国軍  たったこれだけで日本は普通の国になる

田母神国軍 たったこれだけで日本は普通の国になる

武器輸出によって売却先の国の戦力をコントロールできるってところはなるほどと思う。

分散電源系は可能か

地域分散エネルギー技術

地域分散エネルギー技術

世間では俄かにマイクログリッド分散電源系が注目されているが、それがどういうシステムなのかというと世間の認識では概念的なお話ばかりであり、具体的な内容はあまり認知されていない。
そこでとりあえずこの本を読んで勉強してみた。

本書に登場する研究グループの中では、分散電源系が着眼点となる出発点として、大規模な発電所で集中的に発電する集中電源系が発電効率の限界に来ているとの指摘がある。
この指摘が妥当かどうかはわからないが、とにかくこの出発点を軸足として本書では分散減電計の議論が進んでいくのである。

分散電源系の活用

さて、分散電源系の活用方法であるが、それは出力のコントロールと廃熱の利用である。
前者は、小規模な発電機を多数設置することにより、発電機の稼働率を調整して発電量を制御し、化石エネルギー使用の削減に繋げるという発想である。
後者は、小規模な発電機を多数設置することにより、発電機と電力を消費する場所が近くなることを利用して温排水を供給するラインを構築しようという発想である。

上記2点は分散電源系の優位性を主張するための重要なポイントであるが、実現性という意味では大きな疑問符がつく。
発電機の稼働率を調整についてであるが、これは誰が主体となって稼働率を調整するのかという運用システム上の問題がある。最も単純な解決策としては一般電気事業者が行うことになるだろうが、小規模化による管理コストの増大は明らかである。
小規模化して稼働率調整を行うのであれば分散して設置するメリットは全く感じられず、小規模電源を一箇所に集めて集中管理する方が管理上得策である。
となると、期待されるのは廃熱の利用という点である。廃熱需要の季節変動があるだろうし、発電量の制御によって居住地域の発電機が停止させられた場合には廃熱が得られないという問題がおきる。
更には、小規模な発電機が多数で電力を融通するとなると、発電機の増設があったときには、送電網の局所的な容量を見直してその増設を受容可能かという検討が必要になる。

こうなると、分散電源系を社会が採用するメリットというのがほとんど見えてこないように思える。
現状の電力システムを大胆に破壊して分散電源系と市場原理を組合わせた電力システムを構築してその中に自然エネルギーを組込むというのが昨今の世論の多数派を占めていることは確かだが、そういった現状の対極にあるような改革が国民にとって幸せなことであるかは全く不明だ。
今すべきことは現行の電力システムの問題点は何でその解決策は何かという極めて正統的で古典的な思考回路に立ち戻って議論をすることである。
ここまでの議論では分散電源系にける発電所と管轄範囲という「グリッド」の規模は言及しておらず、敢えて定性的な議論にとどまっているのだが、それは「グリッド」の大規模化と小規模化でどのような特徴が現れるかをまず理解することが重要だからである。
今回は小規模化によるデメリットが挙げられるという結果になったが、大規模化にもデメリットがありそれは本書の出発点となっている発電効率の限界である。
そのようなメリットデメリットをよく分析して最適なグリッドの規模を探すことが本来あるべき議論であり、現状分析を放棄して現状の対極に理想的な解を見出そうとするのは単なる現実逃避である。
分散電源系を社会が採用するメリットは殆どないと書いたが、本書のような研究は国民の議論の糧として極めて有益であり、推進して然るべきである。
我々は研究成果をよく理解した上で、社会が採用すべきシステムの決定に向けて、まずは極めて基本的な思考手順を以って議論すべきであろう。

寄せ集めの書評その2

[rakuten:booxstore:10385675:detail]
戦前から国策で鉄鋼業を継続してきた系譜がわかる。

とても解りやすい。製造業に必須知識。

火縄銃の伝来と技術

火縄銃の伝来と技術

昔はおねじ、めねじを加工するだけでも大変だったらしい。

日本陸海軍幻の最強兵器大研究―完全図解シミュレーション

日本陸海軍幻の最強兵器大研究―完全図解シミュレーション

これはとてもよくできた内容だ。だが、日本軍の兵器をよく理解したうえで議論を楽しむという内容で、その基本をよく理解していないので読んでもあまり面白みが無い。

ワイン学

ワイン学

ワイン学

「実にマニアックな本であった。専門家向け。私は専門家ではない。

シャンパンの製造工程の一部が面白い。
瓶内で発酵させた後に、瓶を傾けて保管し、徐々に沈殿を瓶口部に集める。(Remuageと言うそうな)
その後、瓶口を凍らせて沈殿を含んだ氷を取り除く。(Degorgementと言うそうな)
どうやって除くかというと、ただ単に開栓するだけで良い。
発泡の圧力により氷が飛び出るのである。
瓶から内容物が減った分はリキュールを添加する。」

寄せ集めの書評その1

グローバル資本主義を考える (シリーズ・現代経済学)

グローバル資本主義を考える (シリーズ・現代経済学)

グローバル化と貧困の関係とか。
それにしても前記二者の因果関係の導出はすんごい大変だ。
それ以前に貧困の定義って何だ?

図解入門よくわかる最新鉄道の基本と仕組み (How‐nual Visual Guide Book)

図解入門よくわかる最新鉄道の基本と仕組み (How‐nual Visual Guide Book)

これすげー、洒落にならないっす。
車両のメカニクスにエレクトロニクスに運用ソフトから鉄道システムまですげー満腹。
ファンの懐に偲ばせたい良書だ。

Bluetoothテクノロジーへの招待―仕様開発者による近距離無線通信技術の手引き

Bluetoothテクノロジーへの招待―仕様開発者による近距離無線通信技術の手引き

  • 作者: ブレントミラー,チャトシックビスディキアン,Brent A. Miller,Chastchik Bisdikian,清野幹雄
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 単行本
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仕様設計ってのは独特の世界だ。実物を設計するのとはまたわけが違う。
これは仕様の話で、電気的な世界からbluetoothを見たい方の欲求を満たすことはできません。

平城遷都1300年記念出版 NARASIA 日本と東アジアの潮流 これナラ本

平城遷都1300年記念出版 NARASIA 日本と東アジアの潮流 これナラ本

オールカラーで図版を楽しむ本。
文章はあまり読まんかった。

リニアシステムの活用―選定から組立まで

リニアシステムの活用―選定から組立まで

機械系の必須知識。
リニアガイドにリテーナを入れるのはすごいのか。

明治の精神異説―神経病・神経衰弱・神がかり

明治の精神異説―神経病・神経衰弱・神がかり

神経病に冒された明治の人々の話。うーん・・・

絵とき「サーボ制御」基礎のきそ (Mechatronics Series)

絵とき「サーボ制御」基礎のきそ (Mechatronics Series)

これもまた機械系の必須知識。
位置決め技術のモーターとかエンコーダの説明。
若しくはキーエンスの宣伝。

要点解説 タッチパネル

要点解説 タッチパネル

スマホのおかげでタッチパネル市場は急拡大中だ。
それにしても、静電容量式の説明がおもろい。
パネル周辺に交流電圧を負荷して、静電容量の変化によって変化する微細な電流量を検出するようだ。

図解入門よくわかる最新機械工学の基本

図解入門よくわかる最新機械工学の基本

基本過ぎて内容忘れた。機械力学とか、機械構造の基本的な話。

シール技術 (実践保全技術シリーズ)

シール技術 (実践保全技術シリーズ)

精密加工は日本の製造技術の花形です。
各種パッキンにメカニカルシールに、いろいろ載ってます。

油圧・空気圧 (メカトロ・エンジニアリング)

油圧・空気圧 (メカトロ・エンジニアリング)

空圧機械、油圧機械の基本構造です。

給排水・空調・設備工事 (絵で見る建設図解事典)

給排水・空調・設備工事 (絵で見る建設図解事典)

図表を眺めて楽しむ本。やや内容は古い。